スケッチブック 〜full color's〜

Page13 「ひとりぼっちの美術部」

最終話らしく原作に引っ張られることのないARIA節全開の作りであるのはよかったが、あまり感動的ではなかった。絵はきれいなのだが、叙情を支えるロジックの組み方が不十分であるように思う。ARIAにしても一見単に恥ずかしいセリフを流れるままに並べてるだ…

Page12 「スケッチブックの日」

だから中途半端に人情ものにするなっつーに、と毎回思っているのだが、一向に方向性は変わらない。この構成の積み上げをせずに勝手に言いたいことを言って盛り上がられてるような感じはまなびストレートを見ていたときに似ている。ということは、まなびのと…

Page11

まず猫の各ギャグシーンはテンポとノリが良くて抜群に面白かった。中田譲治も良くはまっていた。ギャグ自体は大したことはないけれど。空の方は、空が風邪で一人で過ごす各シーンは内容的に共感できるもので、見せ方もゆっくりとした表現で説得力があり、と…

Page10 「出会いの先」

季節感の表現が素晴らしかったこの作品だったが今回はあまりそう感じなかった。秋の表現は夏のようにセミや光や暑さといったわかりやすい記号がない分難しいんだと思う。ARIA的妄想の世界はかなり嫌気がさして来た。制作者の勝手な解釈で安易に原作の空気を…

Page09 「ナニかの為に」

出来がいいのに感動がないのは物語がないからということに尽きると思う。一応考えて構成はしてるのだが、形式を整えてるだけにとどまりメッセージを深めていくようなものにはなってはいない。そこにARIA的に恥ずかしいセリフを乗っけたところで説得力はない…

Page08 「ラジカセと少女の二本立て」

空の過ごす日曜日の方は最早ストーリーもテーマもなくひたすらオッサンの妄想の世界が展開されているという感じで、心地よくはあるが何も残らない作りだった。「叙情」を萌え要素として捉えるなら、この作品は単なる中身のない萌えアニメだと言う事が出来な…

Page07 「9月の日に」

それぞれの表現のクオリティはいつもどおり非常に高く、今期のアニメでもトップクラスだとは思うが、どうも全体的に内容の統一感がなくごてごてした印象であまり楽しめなかった。ギャグやシリアスやARIA風の叙情性などの異なった雰囲気をなんとかしてまとめ…

Page06 「夏の想ひ出」

写生会の時と大して印象は変わらず。中身のない脚本と季節や一日の時間の移り変わりを感じさせる美しい美術と音響。なんというか制作者のエゴイスティックなノスタルジーを高い技術力に頼りきって表現しているだけで、その技術自体は買うが、そこに意味のあ…

Page04 「ねこねこの日」

ラストのまとめ方からもわかるように、はっきりとした方向性を示さないストーリー構成が良かった。それぞれのエピソードの間の関連や秩序のある展開があるかというとそうでもないんだけれど、なんとなく猫を中心とした雰囲気の統一感は感じられ、全体として…

Page04 「三人だけのスケッチ大会」

脚本としては大して中身のないものを強引に雰囲気で押してそれっぽく仕立てあげたという印象しかうけなかったが、色使いの美しさが目を引いた。曇り、雨、夕暮れと変わっていく天候が美術とキャラの色合いで絶妙に表されていて見たことがないぐらいきれいだ…

Page03 「青の心配」

不思議な印象。全部はったりといわれればそんな気もするし、なにかものすごい表現が行われているような気もする。もっと空の主観を強調して全て空から見た世界だということを強調すればもっとわかりやすいものになるだろうが、そう明確にしないのも故意だと…

Page02 「いつもの風景」

これはけっこうすごいのかもしれない。これまで書いてきたように原作の真価は誤解されているのだが、それでもその原作からARIA的な断片を見つけ出してアニメ作品にまとめ上げるセンスと手腕はかなりのものだといわなければならない。僕が原作を読んだときは…

Page01 「スケッチブックの少女」

「出かけるときは、いつもスケッチブックを持って行く。」 珍しく原作既読。本屋で立ち読みして気に入ってその後全巻買った。以前も書いたように、原作の魅力はらき☆すた以上にらき☆すた的にくだらないネタにあり、叙情的な空気感は作者のエゴの産物でしかな…

未完了分