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まず猫の各ギャグシーンはテンポとノリが良くて抜群に面白かった。中田譲治も良くはまっていた。ギャグ自体は大したことはないけれど。

空の方は、空が風邪で一人で過ごす各シーンは内容的に共感できるもので、見せ方もゆっくりとした表現で説得力があり、とても楽しめた。特に空が退屈で何度も寝る姿勢を変える辺りが良かった。でもあの電気と天井は、今僕の上にあるものと同じで、僕は非常に実感を持てたが、そうでない人も結構いたんじゃないでしょうか。

だがやはり終盤でみんな仲良し幸せ一杯みたいな雰囲気になると、どうしても僕は拒否感を感じてしまう。前半のリアリティがぶち壊しになってしまうように感じる。これは自分がロクでもない青春を送ってきたことの副作用なのか、それとも作品自体がありえない夢物語を描くニセモノだからなのか。僕は後者だと思っているけれど。