第14話 「悩める生徒会長かれん」

「お互い経費がかけられないと苦労するねえ。」

脚本の出来はいいし、バトル作画やキャラらしさの表現はシリアスもギャグもよかったのだが、前回のりんの話同様に今回の主役であるかれんの心情の変化や成長といったものがあまり感じられず、感動にはつながらなかった。やはり問題なのはそれ自体の出来はすこぶるいいバトルシーンで、バトルにおける苦しみや勝利が、キャラの心情の大きな変化にあまり結びついていないことだと思う。協力することの重要性を強調するという点では、本筋と結びついたバトルの展開だったのだが、助け合いを強調するかれん自体は、この話が始まった時点で既に得ていた信念をり返したに過ぎず、成長や変化の意外性につながっていないために何のカタルシスも感じさせることがない。せっかく出来のいいバトルを描けるのだから、もっと感動に結びつくような使い方をしてくれないことにはもったいなく思う。