第2話 「キャッチャーの役割」

あれ、マネージャーは?

今回は三橋と阿部と監督の心理的な駆け引きは面白いんだが、ところどころで奇妙な電波を発していてなんだか変な感じ。特にリアルで面白いのはこのそれぞれのキャラがそれぞれの即物的な利害で動いていて、無根拠な友情や信頼、人間的な成長への希望というものがないこと。三橋は阿部も言ってたようにわがままな性格で、自分がピッチャーをやりたいということだけを考えている。性格を直すのも自分を変えたいとか言うのではなくて、ピッチャーをやりたいからにすぎない。阿部は阿部で三橋と良い関係を築きたいし、投手として上手くいって欲しいとは思っているのだが、その理由は友達になりたいとか幸せになって欲しいとかではなくて、単にピッチャーとしての技術に興味があるにすぎない。監督は何を考えてるんだかいまいちよくわからないけど、バイトまでしてチームの資金稼ぎをするほどの執着があり、野球のチームを強くしたいだけで生徒の人間的な成長なんかには興味がないように見える。こんなふうのそれぞれが自分の利害で行動していて、根拠のない感情が存在しないから、人間の本性が見えて非常にリアルに感じられる。これからもこのような冷たい関係が続くのか、それとも友情(恋愛?)が芽生えたりするのか、興味のあるところ。

電波というのはもちろん脳内ホルモンの話のことを中心に考えてるのだが、監督の性格の得体の知れなさや全体のなんともいえずくらい空気感というのもある。ホルモンの話は説得力があるというよりは、深夜の通販番組のような胡散臭さを感じたし、話の長さも不自然で、はっきりいってやめて欲しかった。それに説得されてうまそうに飯を食ってるメンバー達も頭が悪いようにしか見えなかった。原作はどうなんだろうか。