第2話 「約束〜思ひ出の香り〜」

「あなたの名前を教えてください。・・・あなたの名前を呼びたいから!」

面白い。ゴンゾのクオリティが十分にエンターテイメントに奉仕すれば、これだけのものが見せられるということか。まず明かされたジュリエットの正体の設定が壮大さで魅力的。それを示すためのそれまでの構成も丁寧なもので、ずっと飽きることなく見ることが出来た。

その壮大さに対して、ロミオやジュリエットは、全然シェイクスピア劇らしくない普通のラブコメに出てきそうな親しみのもてる面も見せていて、視聴者は同じ立場で共感することが出来るものでもある。キャラデザが素朴であるというのもあるし、親しみをもてる描写が丁寧というのもある。ジュリエットが膨れっ面ですねるところなんか特に普通に可愛い女の子だと思った。そういう普通の女の子らしさがあるからこそ、今回明かされた事実は彼女にとって衝撃的であるということに実感がわく。

ロミオとジュリエットの名前が全然ケレン味なく聞こえるのは、作りの丁寧さの賜物だと思う。古典の悪臭が全くしない。「なんであなたはロミオなの?」という有名なセリフははずすわけにはいかないだろうので、それをいかに古臭さを感じさせずに見せてくれるか、期待したい。