第63話「ジャンプの次号予告は当てにならない」

紅桜篇の主要登場人物たちもそうだったし、銀さんにおいて大体そうだが、今回の全蔵においても善悪を超えた独自の価値観に基づいた行動が描かれていて、強い生命力を感じた。最終的には善なる行動をしたわけだが、それが善意に基づいているかは曖昧で、むしろ自分の欲望と偶然に一致したからそうしたのではないかという印象が強い。だから視聴者としても全蔵のことを完全に肯定していいのかは不安なのだが、確実だと感じられるのは全蔵自信には迷いは微塵もなかったということ。いいとか悪いとかじゃなくて、ともかくそういう存在が絶対の強度をもって存在しているという事実だけは、疑いがなく認められる。声優の演技がまた素晴らしく、孤高な存在感の強度を十分に獲得していたように思う。