第11話 「光陰」

突然ウィリアムのビジネスマンとしての一面が強調されるのはどうか。前回までは恋のみに生きる馬鹿だったはずなのに、突然常識をわきまえた社会人としての面を見せられて、急にウィリアムを通して表現したいことが変わったような印象を受けた。さらにこれまであまり示されることのなかった、ウィリアムの仕事の規模の大きさや交友関係などを見せられても戸惑ってしまう。エマのことと無関係でないのはわかるが、その関係をしめすための表現がほとんどなく、自然な行動の理由が感じられない。プロポーズから婚約破棄のときのウィリアム同様、感情の流れについて行けない。

とはいえこの作品らしい静かで印象的な演出は随所に見られて、全体としてはラストに向けた盛り上がりは維持されていたように思った。

あとエレノアのその後のあり方をきちんとフォローしているのは、キャラへの愛情が感じられて、また作品への心残りもなくなるので、非常に好感が持てた。