第59話「傘の置き忘れに注意」

「刀も人間もたった一つの目的に向かい進む姿は美しい。」
「刀なんぞは所詮人切り包丁だ。どんなに精魂込めて打とうが、使う相手は選べん。」
先週に引き続き劇場版クラスといってもいい出来。神楽のアクションシーンは一回しか見てないので詳しくはわからないが、他のアニメを含めて滅多に見られない程にリアルで迫力のある動きだった。冷静になってみれば過剰な演出という気もするけど。

銀さんの過去から江戸の未来まで絡めた壮大なストーリーも魅力的だが、侍とは何か、刀とは何かといった哲学的なテーマが提出されてることにも注目したい。冒頭に引用した鉄子と鉄也のセリフは全く正反対の考えを示していて、両方本気で述べられている。これらに対して銀さんは肯定も否定もしていないが、最終的にはなんらかの答えを出すはず(原作未読)。前回も含めて血の流れる生々しい場面が、いつもの銀魂の空気や放送時間を考えるとふさわしくないのにも関わらず多いのは、血を流させるのが目的である刀、それをもつことが存在意義である侍とは何か、という問題を意識させるためのものなのかもしれない。