第10話 「ずっと…一緒…」

前半の緊張感のない長い日常描写と最後の麦と野乃の異様にドラマチックなシーンがいつもの空気から浮いていて全体として出鱈目な印象を受けた。さらに後半の展開を見るにメインのテーマが麦の心の問題なのに、冒頭に佳代の転校を暗示させるカットを置いたのは明らかに構成のミスであるように思う。冒頭に印象付けるシーンを置くなら、全体のテーマを暗示させるものを置いた方が、全体の統一感が感じられるようになるんじゃないだろうか。そもそも佳代はそんなに出てこなかったキャラで、突然転校といわれても視聴者的にはあまり驚きがない。

強引な展開なのにどこかリアリティを感じてしまうのは声優の演技の力か、オーバーな演出の迫力か、頭で考えるとつまらない作品ではあるけれど、なぜかひきつけられるものがあるから不思議。