第55話「ものを食べるとき、クチャクチャ音をたてない」

きちんと泣き所を準備してあって、それは十分に感動的だったのだが、二話構成にするほどの話ではないように思ったのと、あまり狂志郎のホストの仕事のプライドが実感できなかったのが残念だった。感動を生む構成として必要なのは最後に母ちゃんが実は息子のことに気づいていたことを示すことと、狂志郎が自分の仕事にプライドを持っているが母親には顔向けできないことを示すことぐらいで、銀さんたちが変装することやヤクザたちが犬のお産を見つめるシーンなどは別に必要がない。そういうシーン自体は面白いのだが、構成的に浮いているためストーリーから気が逸れてしまう。

肝心の狂志郎のホストとしての仕事のプライドに実感がもてなかったのは、女性を喜ばす仕事の尊さというのが常識的によくわからないから、それをエピソードなどで明確に示さないことには十分に理解できないからだと思う。たぶん原作者も含め制作者たちはホストの実情を知ってる人があんまりいないからこうなったんじゃないだろうか。

次回は新撰組登場ということで、レギュラーキャラが出てくると安心するし、楽しみにもなりますね。