第1話 「ゲーム」

身近な人間関係と世界の終わりが短絡しているいわゆる「セカイ系」の典型。叙情的な空気感はエヴァほしのこえの流れを組むもので、上手くいけば美しい感動を生むことができるはずだが、大概の作品が表面的なそれらしさを見せるだけで中身のないものになってしまっているので、それだけではむしろ不安材料の一つ。

15人もいきなり出てくる構成はどうかと思ったが、テンポよくキャラの特徴を見せていくことによって混乱することはなかった。抑揚のない演出は、何も起こらない退屈を描いてるようでもあり、日常という幸福を描いてるようでもあり、キャラの性格の紹介のようでもあり、以降の話の伏線のようでもある。それらが並列的に並べられてるのが適度に気持ちよさと不安さを作っていて良かった。意欲的な表現でもある。

後半のバトルは周辺の一般人の反応と現場を交互に映していく表現が面白かったし、ゲームのつもりが世界を守ることになってしまうという展開も心躍らせるもの。だがこのタイプの作品は大体どうしようもない空気アニメになり、まれに大傑作になるもの。しばらくは様子見。