第3話 「降られる女」

毎回書いてるような気がするが梶浦由記の音楽がうざい。音楽のインパクトが強すぎてミュージックビデオを見てるような気分になる。舞HiMEのようなケレン味の強い作品には合うが、こういうしっとりとした地味な空気には合わないように思う。せっかく努力してリアルな空気を作れても音楽で全て台無しになってしまうような気がする。制作者は自分の作ってるものが音楽なしでも見せられるという自信を持っていないように思える。

それを別にすれば、トカゲや手錠といった小道具や、ガイコツの住む家といった舞台を上手に使って、エリスとナディによる家庭的な空気感がよく出ていた。本質的には伝いたいメッセージなどはなく、それっぽい舞台でそれっぽいセリフを言わせることによってそれっぽい空気を出そうとしてるにすぎないように見えるが、それでもキャラに存在感を錯覚してしまう瞬間はあるし、キャラに対する親しみは話数を重ねることに嫌でもわいてくる。それにやはり常識人と不思議ちゃんというボケとツッコミ的な組み合わせによって、片方に感情移入がしてもう片方を見ることができるので作品世界に入りやすいというのは大きい。目の前にいるエリスについて知ることが、作品の謎の確信へ近づくことになっているという構図もまた見事。