第2話 「努力と結果」

キャラクターは記号的で薄っぺらいし、ストーリー性はゼロだし、意外な展開もなければ動きまくるアニメーションもない。中身がないならないなりにARIAのようなゆったりとした空気感を作ればいいのだが、低俗な会話で構成された大して面白くもないネタが絶え間なく流されていて息をつく暇もない。銀魂のように人生について考えさせられるような深みのあるセリフもないし、ぱにぽにのようなシュールな空気もなければ、ドクロちゃんマジカノのような白熱したドタバタがあるわけでもない。

しかしこれらのことはほとんど、京アニはこれまでの作品でやっていること。ふもっふ、Airハルヒと一連の作品を思い出しててみればギャグもシリアスもファンタジーも日常話も見事に描いてきたのがわかる。で、この作品ではなぜそれをやらないかというと、それは原作が(未読だが)そういった要素を要求しないからだと思う。京アニは原作に忠実に作るのが得意であり、今回もそれに力を注いでいるのだろう。

で、原作が普通の萌え4コマギャグマンガだとすると、このアニメはその特徴を十分に受け継いでいるように思う。まず萌えは、萌えキャラを十分な作画で描いているので受け継いでいるといえる。4コマではアップや大きなアクションを見せるといった大げさな表現は行われないが、このアニメも前回の感想で描いたように大げさな表現は行われない。特に4コママンガ的なのは、状況説明をせずにいきなりネタを見せるということ。4コマは必要最低限の状況説明しかせずにネタが始まり、オチを見せたらすぐに次の話に移る。このアニメも唐突に新しいネタが始まり、オチを見せたら間髪を入れずに次のネタに移る。これが4コマ的な気持ちいいテンポを作り出している。

普通だったらこういった4コママンガそのまんまの表現は避けて、一話全体にわたるストーリーを付け加えたり、アニメならではのエフェクトやアニメーションを使って面白い作品を作ろうとするものである。そういうことをあえてせずに、原作に忠実に作ろうとしてるところが、やはりこのアニメは良くも悪くも京アニ的であるといえると思う。そしてそれは恐らくそう簡単なことではないし、失敗した場合のリスクは高いものだと思う。

と、このアニメは内容がくだらなすぎて感想を書きようがなく、作品の技術面について語るでもしないと間が持たないのでありました。あーあと何度か出た立木文彦はこれまでずっとゲンドウにしか聞こえなかったけど最近は長谷川に聞こえるようになったことに気付いた。