とある科学の超電磁砲 第11話

まったく先週の大げさな引きによる期待を裏切らない内容で、心から楽しんで見れた。

特にストーリーがシリーズ序盤は背景に過ぎなかった学園都市や超能力のあり方と深く関わる物になってきたのが良かった。シリーズ序盤はコメディアニメとしての側面が前面に押し出されていて、超能力などの設定は背景にすぎず、キャラの魅力さえあれば別の設定でもよさそうな感じだったと思う。しかしそのコメディを楽しんでいるうちに自然と理解されて行った超能力などの設定が、ここに来てシリアスな物語に中心的に関わるようになった。それによって視聴者は意識することなく設定に馴染み、非常に非現実的な世界間の物語も自然に受け入れられるようになったと思う。

あとは木山の過去話はしっかりとお涙頂戴の物語になっていたし、その話も現実世界では美琴と木山の短時間の交信であるかのように描かれていて、決してメインの物語を邪魔する押しつけがましいものになっていなかったのも良かった。

バトルは使われる「技」がこれまでのバトルで使われたものが多く、戦い方に無理が感じられないのが良かった。フィクションのバトルは現実とは違って視聴者にとって予想外の行動をあまりとってはいけないという制約があると思うのだが、以前に使われた行動があれば、視聴者の予想内の行動は増える。その以前に使われた行動と常識的な行動の組み合わせによって、今回のバトルは無理がなく戦略的に面白い物になっていたと思う。

今後ストーリー的に焦点となるのは、木山の信じている「正義」に対して美琴たちがどのような態度を示すかと言うことだと思う。とりあえず美琴は勢いで木山の信念を退けたが、いくら何でもこれが最終的な解答であるとは考えられない。次回もこの劇場版のような展開を裏切ることなく続けて欲しいけど、変な化物が出てきたので、せっかくのシリアスな展開が台無しになってしまわないかが不安なところ。