ささめきこと 第9話

今回は序盤から非常に重くて痛い話のようではあるんだけど、これまでのこのアニメを見た経験から制作者が必ずきれいにまとめてくれるという安心感があって、全然嫌な感じはしなかった。その登場人物達の庇護者としての制作者の視点は例えば蓮賀の立場に仮託されていて、特に蒼井が純夏の無関心に気付いてしまった場面で蓮賀のカットは、今回のエピソードの安定性を確固たるものにしてしまっていたと思う。佐天の胸を突き刺すような痛みは、蒼井には感じられない。

こういった作品のあり方は、リアルな痛みを安定した視点を折り込まずに見せようとするとらドラとある科学の超電磁砲とは決定的に違うものだけど、僕にとって重要なのは、というかで見たいと思っているのはささめきことのような作品の方で、それを逃避だというのは簡単だけど、それ以上の何かがあるように思えるから、こうしてアニメを見続けている。

そういうわけで次回以降も修羅場を装いつつ甘く美しい話を見せてくれると予想するのだがどうなるか。