第5話

面白くなってきた。特に序盤は単なる痛い子として描かれていた大河が今回は他人の悪意に動じず、他人の心を読める大人びたキャラとして描かれていて、逆に大人びていた竜児が女の色香にカンタンに騙される子供じみたキャラとして描かれていたのに、一枚岩ではないキャラクターの性格の深みを感じられたのが良かった。

キャラクターに深みを感じられるのにはキャラクターの感情表現にマンガ・アニメ的にデフォルメされた表現を使わないのもあると思う。この作品は序盤からキャラクターの表現があまり派手な効果音やマンガチックな動画を使ずに地味に描かれていて、今回の亜美の表現も上っ面の天然さを描くにふさわしいはずのそういった表現(例えば背景がお花畑になるとか)が使われれず、かなり地味に描かれていた。だからこの作品にはキャラクターをあまりマンガ的に描かずに、リアルに描こうという方向性があるように思う。そしてそれが成功しているから、1話では地味でパッとしなかったこの作品を僕はこんなにも好きになってきたのだろう。

そんなリアルな表現が多い中で中で竜児と大河が水を飲むのがシンクロする表現は浮いていたと思うけど、それはそれでいいアクセントになって竜児と大河のただならぬ関係が印象づけられて良かったように思う。