第8話

キャラたちの感情の変化の過程や状況の説明が十分でないままクライマックスで盛り上がってしまって、見せ場があって何となく一つのお話を見た気にるのはいいけど、心から満足はできない、というのが概ね各話での僕の感想だったけど、今回のエピソードを見て、似たような印象をシリーズ全体の構成においても感じた。つまり芳佳やミーナのエピソードはシリーズ全体の上での転機といってもいいものだったけど、これまでのエピソードで彼女たちの感情が十分に描かれていなかった、つまりは問題の提起が十分になされていなかったので、今回の良くできた彼女たちのエピソードが空回りしてるように感じてしまった。

こういう問題は毎回各キャラの意志や感情の描写をしっかり反芻して記憶に残し、さらにそこから自分の中で妄想をふくらませてキャラたちの考えていることを深く心の中に刻み込んでいれば起きないと思うが、僕はそういう風に作品の解釈を能動的に行うことを好まない。まなびを見たときと似たような状態だと思う。僕の理解力が足りないだけかも知れないが、そんな僕でもなんの能動的な努力をせずとも十分に理解できる作品があり、一般向けの映画やドラマで保守的な手法を使い商業的に安定した成功が見込まれるような作品は大体そうなっている。

とはいっても見せ場がどこにあるかわからない作品よりはっきりと見せ場がある作品の方が断然いいし、構成に不備があるように思えてもその分楽しいキャラ描写は有り余るほどあるので、この作品は今期で最も好きな作品の一つだといっていいと思う。