第9話

今回も行儀良くストーリーが進行して十分に楽しめた。特にエレンフリートがジンクスを作ったことが認められたことが印象的だった。エレンフリートも意外だったろうが、視聴者としても単一の価値観が支配しやすいアニメの中で複数の価値観が当たり前のように存在していることを、特に対立を強調するわけでもなく示したことが意外だった。それに加えて、これまでのエレンフリートの惨状の表現は丁寧だったのもあり、今回のヨルゴが救われたことによるエレンフリートの幸福感の印象の強さは相当なものだった。ヨルゴの死刑執行の無期延期の理由はちょっと単純すぎるように感じたけど。

ジェットの話は腐女子向けの疑似同性愛的描写と逆ハーレム的展開の徹底っぷりに笑った。なんでも疑似同性愛とアンジェリークへの好意に結びつけてしまうこの作品は本当にすごい。もちろん物語としても普通に感動的でとても良かった。伏線は十分だったし、各キャラの感情の流れも論理的に明確なので安心して感動できる。バトルは単調すぎてちと退屈だった。オープニングのものすごいやつみたいのが見たかった。でもストレートな感情のぶつけ合いを象徴するという意味では、単純なパンチの応酬が適当だという気もしなくもない。