第8話

相変わらずの安定したストーリーの強引さと得体の知れない面白さ。

このアニメの面白さは、少なくとも人間の感情を説得力を持って描けているということにはないと思う。由紀子が精神攻撃を受けてるシーンとか、涼子が泉田に反応して自殺しようとしてしまうシーンとか、一連の東の感情的になるシーンとか、強い感情を描いてるシーンはあるのだが、その感情を印象づけるための構成上の工夫というものがまるでなされていない。例えば由紀子だったら、そのシーン以前に由紀子がコンプレックスを抱いてることを示すエピソードを挿入したりすれば断然説得的になると思うが、そういうことは一切していない。

にもかかわらず面白いのは、強引ではあるが起承転結はあって統一感のある構成であることと、個々の演出の丁寧さにその原因があると思う。

あと全体の面白さとどう関係してるのかは今ひとつ不明だけど、高速道路の見せ方が前半のも後半のもものすごくかっこよかった。このシリーズは車関係の描写には妙なこだわりがあるみたい。