第4話

物語の背景の事情が明かされてきて世界観に深みが出てきているのはいいし、相変わらずのクオリティで素晴らしいのだが、決定的な違和感を感じる。それは単純な話で、紫がオタクの欲望を反映したような非現実的なロリ萌えキャラであるのに対して、周囲の世界が死の臭いのするリアルなハードボイルドな世界であるというギャップが原因だと思う。物語の中心であるはずの少女に生命の重みが感じられないから、いくら周囲の現実が深く描かれても全体的に気の抜けたような印象を受けるのだと思う。確かに単なるロリ萌えキャラであるのは表面だけでそれを越えた人間性が紫には描かれているものの、まだ僕にとっては表面的な印象が拭われるには至らない。