第7話「キラメキ」

キラメキの家や言動などの作り込みは異常なほどに手が込んでいて非情に見応えがあるのだが、それによって描こうとしてるのが単に他人のことを考えられない悪人という紋切り型の人間像でしかなさそうなのはあまりいい気分がしなかった。(まだ次回以降を見てみないことにははっきりとわからないけれど。)

もしそうだとするならばそこに描かれてるのはやはり中学生的な妄想で、単純な悪というものが現実に存在し、その悪は駆逐されて当然という単純で想像力の欠けた思想だと思う。単純な悪というのはドラゴンボールスクールデイズのような戯画的な世界観では滑稽さや爽快感を生み、さらにはその世界観の非現実性から倫理的な不快感は催さないが、この作品のように緊張感のある現実描写の中で行われると、笑えない気味の悪さを感じてしまう。

せっかくフミカや要の描写は人間味のあるものになっているのに、敵対する存在を単純な悪に仕立て上げて安易な勧善懲悪もににしてしまっては、彼らの思いも単純なものにしか感じられなくなってしまうと思う。