#3クッキーと小石

構成はセオリーに沿ったものでいつもなら誉めるところなのだが、どうも他の出来のよい作品から感じる印象に比べると、なにかが足りない気がする。構成が問題なく、作画・声優も一定のレベルには達しているとすると、感動を生まない原因として残るのはセリフ回しを含めた含めた演出で、おそらくその辺が不足なんだろうと思う。

金朋の役どころは今回になってようやくつかめてきた気がする。トリックスター的な、不安定な雰囲気を安定性へと振り戻すための装置といった役割なのだと思う。金朋がいるというだけで、周りの暗い空気感が中和され、不安感の中にも安定があるという安心感を得ることができる。子安武人も似たような役割のように感じれるし、このキャスティングは結構考えられたものなのかもしれない。