第17話 「お天道様のもと」

パロディやEDネタなどで遊んでるうちは、まだ本編の日常表現がそれらと独立して一貫性を保っていたのでまだ良かったのだが、今回のかがみ一家の深刻な表現を使った長めのエピソードは、明らかにこれまでの日常描写から浮いていて、しかしパロディやネタの側に分類できる種類のエピソードでもなく、これまでの一貫したライトな日常描写をぶち壊しにしているように感じた。露骨なネタやパロディはまだ明らかな遊びとわかっていたので我慢できたのだが、今回のこの表現は全体の評価を考え直さなければならないほどのもののように思った。

しかし全体的にどうしようもない時間の流れを感じさせるエピソードや、これまでは完璧に見えたこなたの深刻な問題点が暗示されるエピソードなどが多く、安定した空気感を壊していくというのは狙っている見せ方なのかもしれない。

この崩壊の仕方はエヴァの終盤を彷彿させるものがある。目を覚ませオタク、現実を見ろ、とそう言いたいのかも知れない。が、京アニはそういうことをやるところじゃなくて、オタクに媚びることを悪としないところだから、考えすぎなのだろうとは思う。