第25話 「キンよ飛べ!大空へ」

「リーフ、バルダ、私は負けない。おまえたちも、全力を尽くしてくれ。私たちの希望と祈りが、おまえたちに届くように。」

キンにのって空を飛び始めて、上空からばーっと広大な世界を見渡すところが、音楽の壮快さもあって、FFなどのRPGで始めて空を飛ぶ手段を得たときの壮快な感覚を思い出させるようだった。このアニメはこんな風に夢中でゲームをやってたたころの記憶がふっとよみがえることがあって、そういうときは忘れていた大切なものを思い出させてもらったような気分になる。いくつになっても男の子は冒険に憧れてるってことでしょうか。

物語の中盤になって、父親とリーフの意思の疎通を夢の泉の見せる真実の夢という形で行ったのは上手かった。父親のことなんか視聴者的にはとっくに忘れてるわけで、この辺で思い出させる必要があるんだろうけど、ここで感動の再会なんていうのをやると話の腰が折れてしまう。せっかく勇気をもって親元を離れてしている冒険の価値が弱まってしまう。そこで方法はいろいろあるんだろうけど、再会の感動は先にとっておいて、お互いの意思と安否の確認をかろうじて伝えられるぐらいの意思の疎通をさせなければならない。そこで、このやり方は物語の世界観に合って少し神秘的で、お互いに最低限の安心は得られるもので、非常に良かった。

長老の決して意見を曲げない厳然とした態度も意思の強さが感じられてよかった。何度も説得力のある説得をされていて、見てる側としてもこの辺で折れるかなと思うんだけど、なかなか折れない。全く表情を変えないのが本当に意思が強いと思わせるものだった。バルダの長老に対する評価も効果的。だからこそプリンの未来のことを考えたときに意見を変えてしまうのは、本当に一族のことを考えているのがわかって、感動的だった。この辺のロジックのうまさは原作によるものだと思うけど。