第11話 「いろんな聖夜の過ごし方」

前回はこなたが料理をする姿に不意打ちでステレオタイプのキャラ設定を超えた人間らしさを感じてしまったわけだけど、今回は父親にプレゼントを買って来たシーンにそれを感じた。こうやって家庭的な側面や、普通の娘としての側面をさりげなく挿入されると、いつものオタクな性格も含めて非常にリアルな存在に感じられる。次回予告には掃除する姿があったり、以前には母親に関するわりとシビアな話があったりと、こなたの表現はギャグアニメの範疇を超えてしまっていると思う。しかしあくまで話の大部分は日常的な表現で、それを引き立たせるための強烈だけれど量の少ないけれどスパイスとしてそういった表現が使われているから、しつこさやわざとらしさを感じることなく、日常的な幸福感をありのままに感じることができる。普通は物語はシリアスな非日常的な表現を中心に描き、日常的な表現は物語の導入やラストで非日常のとの対比を示すためだけに必要最小限に描かれるものだが、この作品はその両者の間の関係が逆転しているといえる。

今回の話はシリーズ序盤のような詰め込みまくった構成で、日常的な幸福感が感じられて良かった。らきすたにはひたすらこの方構成で進んでいって欲しいと思う。特に駅に向かって歩く帰り道の表現は、下校というさりげなく幸せな時間を感じられて非常に良かった。やたら人間を正面から見た構図や、妙に斜めにした構図が多かったのは気になるほどでもないが何をやりたいのかよくわからなかった。