第6話 「あったかくって、温泉」

なたは人に向けて振ってはいけません。

温泉が止まって風呂を沸かして騒いでたうちは良かったのだが、大きな感情の動きを描いたり、話にテーマ性を持たせたりするとどうもこの作品はつまらなくなってしまう。行人がテンプレートな行動をしてる以上に見えず、したがってすずの行人を見る目もパターンに従ってるようにしか見えない。これまでは大体、既視感を感じつつも、作画やアニメーションに力を入れつつもテーマ性を控え目にすることによって、独特の日常的な世界観を感じることが出来たのだが、少しテーマ性を押し出した途端に陳腐さを感じるようになってしまった。こういう使い古された設定の作品は少し気を抜くとどこかで見たことのあるものにしか見えなくなるという危険があるから、安易に深い物語を見せようとはしないほうがいい。

それとは別にしてもしかしたら良設定かもしれないと思ったのが、島の女の子たちが皆いい加減なようで実はすごい働き者らしいこと。学園ラブコメなどでは少女が自信を持ってるのは根拠がなく単に定型的なキャラだからだと思ってしまうけど、この場合は働いているという設定が女の子たちの自信に根拠を与え、存在感を強める効果をもってるんじゃないかと思った。すずが力持ちという設定もそれを補強してるように思う。しかしまだその設定が十分に表現されているとは思わないけれど。