第1話 「ふたり〜出会わなければ〜」

遅らばせながら視聴。ついに現代の作品の原作が尽きてしまい古典に手を出すぐらいしか手はなくなったのかと思いあまり期待していなかったのだが、蓋を開けてみれば「ウェルベールの物語」と同様に視聴者を選ばない普通に楽しめそうな非常に好感のもてる作品だった。

まずキャラデザがさっぱりしている。萌えを排除も強調もしていないもので、キャラ絵でアピールしようとはしていないよう。ストーリー的に原作から現代風にアレンジはしえあるが、今のアニメとしてみればそれでも割と陳腐なもので、特に斬新さは感じない。絵的にも設定的特に奇をてらっていず、ストレートな出来で勝負しようとしているように見える。

アニメーションとしては非常に出来が良かったように思う。しかし作画枚数が多いというわけではなくて、例えば切るつけるシーンで実際に切るシーンは省略してその前後の動きだけで見せることのように、日本のアニメ的な省略した表現が上手に使われていた。

原作者の登場や、二人が恋とは何かを話すシーンを続けて見せることなど、気の利いた表現も多く、これからの話にも期待できる。しかしシェイクスピア劇の魅力のひとつは、銀魂のようにいちいちセリフが皮肉だったり哲学的だったりすることにあって、その辺は全く脚本に表れていなかったのが残念。