第48話「似てる二人は喧嘩する」

Bパート途中で読み違えてしまった。実は爺さん生きてて式が台無し、ってオチを予想してゲラゲラ笑ってたわけだけど、実はシリアスなオチだったという。こっちの素直さが足りないのか、作品の説明が足りないのか。まあそれでもものすごく楽しかったけど。こういう製作者の意図と受け手のすれ違いは不幸なので、余計な深読みはせず素直に見るように気をつけよう、と思いました。製作者の方も気をつけてね、と。まあ楽しむためにはお互いの協力が必要ですね。

それにしても良かったのが藤原啓治で、セリフ回しも含めて、故人への愛と悲しみが本気で伝わってきました。セリフはもちろん銀魂らしさを一分たりとも外れてないから、なんの不自然さも感じない。もうなんか、今それを思い出しただけで泣きそうになるというか、銀魂はいつもギャグもシリアスも全力投球で人生の全力の肯定という感じがします。あと神楽@釘宮も命懸けで遊ぶという意気込みが感じられるセリフがあって、釘宮の演技力も手伝って制作者たちの決して俺たちは馴れ合いで仕事をしてるわけじゃないんだ、というような意気込みが伝わってくるかのようでした。

この話の前にあのAパートをもって来るという構成も素晴らしかった。きちんと繋がってるわけです。こっちももう本当に子供の嫌がらせのレベルで、それを一流の声優や制作者が表現してるこのバカバカしさ。この楽しさは大人も子供も本気で楽しめるものなんじゃないだろうか。是非本当の子供に聞いてみたい。銀魂面白い? って。きっとイエスと答えるんじゃないかと、無邪気にそう答えるんじゃないかと、僕はそう信じます。そしてそれこそがこの作品への最高の賛美でもあります。大人も子供も関係ない喜びはここにある、とそう思う。

もう楽しいし、泣けるし、生きてみたいって勇気が出る。それでいて高尚な空気がかけらもない。これこそがエンターテイメントの理想の形なんでないかと。要は楽しけりゃいいんです。しかし人を楽しませることは、問答無用の幸せな時間を作ることはそう簡単なことではありませんよ、と。

脚本:大和屋暁 絵コンテ・演出:みなみやすひろ 作画監督佐藤陽子