第6話 「プリキュア5全員集合!」

「決めたっていわれても・・・」

バトルシーンの展開はチープではあったが、メインのかれんのシナリオや演出は良く出来ていて、非常に満足の行く回だった。冒頭の幼少時のシーンは、まどろむロリかれんの愛らしさにまずノックアウトされてメロメロなわけですが、そんなことはどうでもよくて、彼女がいかに両親のことを愛しているか、またそれにも関わらずそのことを人に見せないようにしているか、また爺やが彼女の本心に気付いていて、いかに心配しているか、といったことが日常の何気ないシーンのなかで理解できるもので、実に良かった。電話のシーンは前回にもあり、この後に回想シーンとしても一回あり、ラストの母親に会いたいという電話のシーンとの対比がはっきりとわかるものになっていた。この辺の日常的な演出の上手さは、バトルを除けば、プリキュアのもっともいいところだと思う。

かれんが成長した原因の一つは、のぞみ達4人との友情を大切にする思いで、決定打となったのがもう一つの、のぞみに自分が優しさを持っている人間であることを指摘されたこと。これに対して、かれんは「あなたって不思議な人ね。」とマンガやアニメの主人公が安易に特別さを強調するためにいつも言われるセリフを言ったわけだが、この辺のかれんの真意ははっきりとはわからない。だがこれがかれんの心を変える決定打のようだった。確かにかれんに何で自分にプリキュアになって欲しいか? と問われて考えた末に「決めたから!」と答えになってない答えを自信を持って答えられるのぞみはまだまだ視聴者にとっては不思議な人間にしか見えない。だから今回のかれんを変えた力が十分なものであったかは、今後ののぞみの描かれ方次第だと思う。

バトルシーンは作画は良かったものの、展開に何の工夫もない。これからはもうちょっとそれぞれの力を生かした戦略や展開を見たいものです。特に緑の人、防御してるだけじゃないか。

脚本:村山功 演出:岡佳広 作画監督:篁馨、東美帆