第2話 「アッセンブリ -assembly-」

ゆかりのはだかが萌えでもなんでもないだけに却って生々しくてエロい。

特に不自然な点もなく、特別に感動したり驚いたりする点もないものの、テンポよく話が進んで普通に楽しめる話だった。特に個性もなく普通に少し気が強いだけのゆかりは、状況が非日常的なものなので良く話に馴染んでいる。必ずしも萌えとか個性があればいいというものでもない。そんなゆかりが急転直下の運命に有無を言わさず流されていって、驚いたり起こったりしてるさまはとても楽しい。やっと見つかった外道を地で行くような親父に対して銃を突きつけるシーンは、女の怒りのよくわかる行動で見てて非常に気分がよかった。

ストーリーの進行が速くて、十分な感情の表現が行われていないように感じる人もいるかもしれないが、これは原作譲り。原作もテンポ良く、心理描写や情景描写は少なく進んで行き、正にライトノベルと言った風のもの。10年以上前の作品で、当時のラノベはもしかしたらみんなこんな感じだったのかもしれない。表現はあっさりしていても、話のつじつまはあっていて疑問に感じることはないので、ライトな作品として楽しむべきものなのだと思う。

ぐるぐる回って遠心力で重力を再現する機械など、相変わらず機械類や乗り物はCGでしょぼい。OPのロケットもやはりダサい。その機械も王立宇宙軍でアニメーションできちんと描かれたことをどうしても思い出してしまう。スタッフは恐らく全く意識せずに企画したものと思われる。まあアレは青年の主人公の青臭さが話の雰囲気のの基調となっていて、それに合った繊細な描写が必要だったけど、こっちは普通の女の子が状況に流されてピーチクパーチク叫ぶだけの話だから、あんまり繊細さは必要ないのかもしれない。とはいえ次回以降ちょっとディープな展開がありますよ。

やはりこの作品は音響がいい。屋外のシーンでは常に控え目に虫の声が聞こえていて、南の島の自然の空気が感じられる。こういう舞台のアニメは他にないと思うから貴重なのかも知れない。夜の海辺で虫の音をBGMに泣けるセリフを言ったりして欲しいもの。機械類も映像はCGでショボかったが音に関してはリアルであるように感じた。

今回最大の見所はマツリのキャラ@生天目仁美だと個人的には思う。無邪気に「お姉ちゃん」と呼ぶところなんて本当にかわいかった。無邪気だけどお花畑間な感じがしないのは、異民族としての常識を持ってるのが感じられるからか。最後にマツリを宇宙飛行士にするのを決めたシーンが前回と同じセリフになっているのは何気に気の利いた脚本。そういった粋な見せ方のできるスタッフだと思うとこれからも安心して見れる気がする。

脚本:十川誠志 絵コンテ:青山弘/森木ひさし 演出:山岡実 作画監督:垪和等/諸貫哲郎/古佐小吉重