第44話「お母さんだって忙しいんだから夕飯のメニューに文句つけるの止めなさい」

とても食事時に放送できる内容じゃないな。

前話までの人生や哲学について考えさせられるような空気はどこへやら、今回は下ネタ満載のギャグをダラダラと続けるチープなジャンプのギャグマンガのノリになっていた。説得力のある展開などかけらも無く、その場の空気とギャグの都合で話を適当に続けていくだけ。ここまで中身の無い回はこれまでなかったんじゃないだろうか。

しかしそのギャグはこれまでの銀魂のノリを引き継いだ確信に満ちたもので、キャラの個性も存分に発揮されていて、安心してゲラゲラ笑うことのできるものだった。作品の雰囲気の統一感が強く不安にさせる要素がないから、他のアニメでは笑えないようなつまらないギャグでも、心がゆるんでしまって笑ってしまうんだと思う。その点、まなびストレートは常にどこに行くかわからない危うい雰囲気があって、ギャグで笑っていいのか不安になって笑うことが出来ない。

だがこのアニメのすごいところは、出来上がったアニメの雰囲気に安住しないで、どんどん新しい見せ方をしていって、空気を維持しつつも壊していること。前々回までの話の神楽に対する銀さんの態度や、前回の一話中同じ場所での構成、今回の完全なギャグだけの話など、新しい試みを恐れることなくどんどん投入している。

これは同じ高松信司監督の無印スクールランブルにも共通することで、この監督の意志で行われている可能性が高い。だとすればそのようなことができるこの人はやはり相当の人なんじゃないかと思う。

脚本:下山健人 演出・絵コンテ:小倉宏文 作画監督:乙幡忠志