第5話 「ニジとドッジのわな」

リーフたちをひっかけた看板の文章。原文が手元にあるので比べてみる。


アニメ版(たぶん原作の翻訳版も)
 !ぬまあり!!|これ
 からさき、ゆく|ならし
 ぬ。けっして |はいる
 べからず。  |
原作
 WARNING! |RING
 OF QUICKS|AND
  DO NOT |ENTER
quicksandは濡れた流砂のこと'ring of'というのはたぶん環状ということ。訳はあまり自然とは言えず苦心の訳という感じ。仕方ないんだろうが。日本語の右半分は翻訳に比べて不自然だが、その点はリーフたちが不審に思っていたので問題ない。

ニジとドッジが言葉を逆さまにしていることは、大きなお友達の皆さんは「ぞーど」あたりでわかってひどい子供だましだと思ったかもしれない。でも原文も"Ti wonk ton did yeht.Sloof!"という風に、未知の外国語らしくて子供なら引っかかるが大人には簡単にタネがわかるものになっていて、原作譲りだといえる。発音されたものを逆から読むことが難しい英語よりそれが簡単に出来る日本語に向いているトリックでもある。

ナゾナゾ巨人の時ほどにひどくはないが、今回も原作のストーリーを工夫せずにそのままアニメにしているみたいでぎこちなかった。例えばバルダとリーフが老夫婦を全く疑わずにジャスミンが引き返そうとしているシーンなどは、あまりにも騙されてることがあからさまでもっと工夫して視聴者にははっきりとわからないようにして欲しかった。他にもマナスを一人にして置いていく必用はないことだとか、ララド族が大工の種族だという設定が唐突なことなど、突っ込みどころが満載で、脚本家にはそのような明らかな不自然さをなくす努力をして欲しかった。

それにしてもバルダとリーフ、特にバルダの不甲斐なさとジャスミンの活躍ぶりは最早狙ってるのではないかと思わせるほどパターン化してきた。ジャスミンの助けがなければ彼らは何度死んでることか。繰り返されれば面白いので是非このパターンは続けて欲しかったり。

今回のジャスミンの見所はクリーを「強情もの」といってしかりつけるシーンと、薬を塗ってもらって痛さに軽く喘ぐシーン。是非こんな風にジャスミンに叱られたいです。私はクリーになりたい。次回は入浴シーンですか。目が離せません。

脚本:吉田玲子 絵コンテ:秋川珠水 演出:松本マサユキ 作画監督本橋秀之