第40話「子作りは計画的に」
今回は作画的にもギャグ的にも低調な回で不安だったけど、最後に見せるところは見せてくれてやっぱり最近の銀魂は神がかってると思った。
前半は"銀魂節"といえるいつものギャグだけで構成されていて、正直多少うんざりする展開だった。あんまりこのパターンに頼りすぎると良くないと思った。それでも一応物語として構成しているのは立派だけど。
後半神楽と親父のバトルは、あんまり見ごたえのないバトルだった。でもそこには父親の生き方を否定したい神楽と、娘を連れて行きたい父親との葛藤が重ねられていて、テーマとしては深刻なものがあった。
父親という「現実」と、銀さんたちのいる世界という「ユートピア」の対比は、これまでビューティフルドリーマーやエヴァンゲリオンでのそのような対比を思い出させる。回答が出るわけはないにしろ、オタクにとっては考え続けなければいけない問題。ユートピアの中心であった銀さんはその問題に対してはっきりと「現実に帰れ」と残酷ながらも正しい答えを突きつけたわけで、これはこの話が単にユートピアを示す物語であることをやめたということ。銀さんがそう言ったのははじめて。これまではみんなで万屋に帰ることで話をまとめていた。
神楽はこれまでずっと銀さんの下で甘え続けて生きてきた。肝心なところで「大人」になれなかった。それに対して銀さんは「大人」だ。人生の酸いも甘いも知っている。これまでの話には十分にそう納得させてくれるだけのものがある。
神楽は一体どんな回答を出すのか? エヴァ級の衝撃を引き起こす舞台は十分に整っているように思える。そこまではいかないにせよ、最近の銀魂のエンジンのかかりっぷりを見ると、予想以上のものを見せてくれるような予感がする。