第7話

相変わらず感情豊かなキョーコは見ていて楽しかった。ツンデレ璃子も可愛かった。

しかしいくつか疑問点がある。まずキョーコが演技の時にあんなにも強い忍耐力さを持っていたのは不自然だと思う。キョーコがラブミー部に入らされたのは他人を喜ばせる能力がないからだったはずで、それにも関わらず客に尽くす精神力を持っているのはおかしい。

さらにもし、彼女が不屈の精神力を持っていたとするなら、それは主人公に共感するタイプの少女マンガの主人公としてふさわしくない。例えばガラスの仮面はそのようなタイプの作品だけど、こういう作品の主人公に共感できるのは、特別な才能を持っていても精神力としては読者と同レベルだからであって、もし強い精神力を持った人が主人公だったら共感できない。

そもそもこういう作品で受け手が感動するのは並の精神力を持った人間が努力する姿や、そういう人間が成長していく姿であって、最初から強い精神力を持っていたら感動するところがなくなってしまう。

もちろん強い精神力を持った人間が主人公で、そういう主人公の立派さを見て楽しむタイプの作品もあるが、この作品はそういう作品では無いだろう。

また、別の疑問点として、キョーコが演技の上達を志すのは唐突に感じた。キョーコが目指しているのは単に芸能人と言うことであって、俳優になると言う選択肢すらなかったはずなのに、突然演技の上達を志すのは不自然だと思う。もし今後キョーコが俳優を目指す物語になるのなら「俳優になりたい」と決意するべきところだろう。