第3話 「かくもささやかな子守唄」

この作品のあり方はネウロと良く似ている。どこかで見たような物語で、どこかで見たようなシーンを組み合わせ、本来なら必要な説得力を増すための地道な構成の積み上げをしないという。

それでもそういう作品は類似の作品の記憶を重ねることによって一応は楽しめるのだが、それだけでは不十分。ネウロにはその構成の隙間を補うだけの他の要素が犯人の動機のロジックやらネウロのキャラだったりして、それらの出来如何で面白かったりつまんなかったりするわけだが、この作品はその補う役割を声優の演技が果たしているように思える。

そういうふう考えて、今のところ僕としてはこの作品は面白いんだが、今後声優の演技の魅力だけで興味を維持できるかと言うと、無理なような気がする。もう一歩、何かが欲しい。