#11「告白」

構成的にはグダグダだが、あさみの一人語りの内容と演技、ラストの電車に向かって叫ぶエピソードは結構良く出来ていて、存外に楽しめた。

あさみの独白は長い独白だけで物語の収拾をつけようとしているのは問題だが、内容的には共感できるもので、普通の人間が悪に走ってしまう様を自然に描けていたと思う。

同じ悪でもスクールデイズの言葉の場合は思いが行き詰まった結果全ての関係性を捨てて狂気に走ってしまったわけで、あさみのように人間関係のしがらみを意識しながらも悪事を働いてしまうのとは大きく違う。単純に面白いのは前者だが、後者は倫理的な問題を投げかけるわけで、より難しく真剣な見せ方だといえる。スクールデイズの単純に快楽主義的な作りはあまり好きではなかったので、個人的にはこの方向性は歓迎。

仲原麻衣の抑えた悪意の表現もよかったし、その辺りのシーンでの佐奈の感情の変化の表現も納得できるものでよかった。観覧車のシーンが伏線になっていたというのも意外性があって良かった。

最後の修輔と佐奈の電車のエピソードもアイデアとしては実に魅力的で、男泣きする修輔もいい絵だった。しかしそういうとっておきのアイデアはそこに至る構成を十分に積み上げてこそ生きるもので、こんな強引な展開ではせっかくの壮大なBGMもシラけながらしか聞けない。