第10話「一」

結局何の意外性もない展開で、最初の犯人も特に話を膨らませることもなく、2話構成する必然性は感じられなかった。原作の縛りがあるのかもしれないが、最初の犯人は無視してアヤだけで1話作った方がいつものような爽快感のある構成になったと思う。

しかしその構成の余裕を利用してエンディングテーマをフルで作中で流したのは上手かった。ストーリーの流れとしても、その間の演出としても自然で、あざとさを全く感じない宣伝だった。その自然さはハルヒの「ライブアライブ」の劇中曲に匹敵すると思うが、コストパフォーマンスは圧倒的にこちらが高い。

テーマや構成は凡庸というか、意図的に陳腐な表現をすることによって戯画的な面白さを作り出しているわけだが、そこに高山みなみのいかにもな演技が非常にはまっていて、戯画が現実と反転してしまうような、そんな錯覚を覚えるほどだった。