第19話 「夜」

「しかし、ざっと5億は犠牲が出るぞ。」

面白かった。さんざんパロディはやっていたが、初めてエヴァに近い空気感というのを感じたような気がする。

正直ストーリーをそんなに丁寧に追ってないので、細かいストーリーの整合性などはよくわからないのだが、それでも「なんだかよくわからないけどものすごいことが起こってる感じ。」は十分に感じることが出来た。

そういう感じはエヴァにもあったもの。エヴァも細かい設定の整合性なんてのは、実際には結構適当で、小難しそうなジャーゴンを並べてノリで押し切っていたわけだが、それでも十二分に迫力を感じることが出来るものだった。

理屈の整合性は脇に置いておいても、アイマスにおいても、エヴァにおいても、とんでもない事態になりそうなことを示す伏線は十分に張っていたわけで、それによって、空気感としてはこれまでの話としっかりとした整合性を感じることができる。

抑えるべきところは抑えているわけです。壮大な話をしても雰囲気作りに失敗してると、いくら設定に整合性があってもそれらしく感じられないもの。

もう一つ重要なのは、関わっている人たちの感情の高ぶりがきちんと描写されてること。もともとこの作品はベテランのサンライズ作品だけあって構図やカット割による感情表現は見事なもの。それをそれぞれのキャラにおいて少しずつ見せていくことにより、全体的に事態が深刻になっていく過程が良く見えてくる。

人間の血が流れる描写をロボットの非現実的な戦闘と対比してリアルに描いている辺り、制作者の真剣な姿勢を感じます。

ただそれでも他人に対する依存を超えた人間の普遍的な価値観というものを示すところまではやはり行けないだろうなあ。