第19話 「守る男」

「そんなに、くっつくなよ。」

実はこのシリーズの各話の脚本っていうのは、ものすごく単純なだけなんじゃないだろうか。いつも省略の多い思わせぶりな構成で、何か深い考えがあるんじゃないかと思わせるものがあるんだが、実は単に表現したいことがなくて、なんとなく雰囲気のある表現でごまかしてるだけなんじゃないだろうか。

今回はエリスが自分がかまってもらえない事にやきもきし、しかしやはり自分が大切に思われてるということを確認して喜ぶという話なわけだが、それだけで、そこにエリスのトラウマや境遇による固有の葛藤だとか、複雑に両極にゆれる感情の動きだとか言ったものは一切見られない。あるのは使い古されたそれっぽい表現だけ。

この作品に関しては、省略されている行間を読もうという試みは空しいだけなのかもしれません。

しかし、もしそうだとしても各声優の演技はキャラたちに脚本の質を超越した固有性を与えているとは思う。