第14話「挑め!」

抽選会に始まって数話間引っ張りに引っ張ってようやく試合開始。試合の準備期間は試合に比べれば明らかに退屈な描写ではあったが、だからこそ選手たちと一緒に地道な練習を重ねて来てようやくその時が来た、っていう感じがする。久しく感じたことのないドキドキ感がふっと心の中をよぎる瞬間が何度もあった。

試合は以前の練習試合同よう「おお振り節」とでもいうような緊張感のある見せ方。実際のプレイ時間を省略することなく示し、その時間を選手たちや監督の、さらに今回は応援団や観客も含めて内面を移動して表現して行くことにより、その場の空気を全体的な視点から示して行く。そして綿密な野球の戦略の描写。正直野球はあまり知らないので、なので何を意味してるのかわからないことも多いのだが、それでもその雰囲気は十分に楽しめるものだった。

しかしこの作品は、以前にも書いたように、視聴者は特定のキャラに視点を重ねて見るというより、全体的な視点に立って包括的な空気感を感じ取るもののように思っていたのだが、どうもそうではないのかもしれない。今回はかなりモモカンの視点からの描写が多く、視聴者はモモカンの視点を中心に試合を見ているように感じられるものだったと思う。モモカンの視点というのはもともと選手たちのそれとは違い、参加者というよりは一段高いところから選手たちを眺める傍観者的なものなので、視聴者に近い視点として、視聴者が感情移入する場所としての役目を果たしているのかもしれない。

ところで新EDのあの方は本編にも参加するのでしょうか。期待していいんですよね。