第14話「ひとつ屋根の下」

さよなら絶望先生」で感情を引っ掻き回された後に、今回の非常にオーソドックスで心温まる話をみて、非常に心が休まった。これが前回のようなとりとめのない作りだったら疲れきって眠れなかったと思う。

ゆたかの入試のエピソードは、この作品では珍しくある程度の長さを持ち、その中で感情の変化を見せていくというものだった。現在と過去を行き来する構成も効果的で、あまりこのような普通のストーリーは期待してなかっただけに嬉しい不意打ちだった。そこからいつもの雰囲気への転換が自然に行われていて、そこだけ浮いてしまうことがなかったのも良かった。

ゆたかという年下のキャラが一緒にいることによって、こんなにも他のキャラが大人びて見えるのには驚いた。特に最初のこなたがゆたかを迎えるシーンは、いつもはボケキャラでしかないこなたが、年上として普通に接してるというのが、当然の対応ではあるが不思議な感じだった。他のシーンにおいてもゆたかがいるというだけで、こなたたちが大人びて見える。もちろんこれまで子供に見えた人が急に大人びて見える瞬間というのは、現実で当たり前のようにあるものだが、アニメではなかなかそれを感じることは少ない。この作品でそういう印象を受けたのは、やはりこれまでの日常描写における何気ない幸福感が十分に示されていたからだと思う。

EDは前回は驚きが大きくて冷静に判断できなかったが、今回のを冷静に見てみれば、構図や音響や色使いなどをちゃんと考えて作っているまともなものであることに気付いた。別に視聴者をナメてるわけでは、ないようです。