第3話 「恋心〜残酷な悪戯〜」

「ここまで血にまみれた以上、後は罪が罪を生み出すだけ。」

マクベスのようで実はリチャード三世。第四幕第二場。原文:"But I am in so far in blood that sin will pluck on sin."

前半は前回の急展開のあとなのに、特になにもおこらず物語の下準備ばかりで退屈だったけど、後半はジュリエットがピンチになるくだりからロミオの正体を知るまでは盛り上がって面白かった。バトルシーンも見ごたえのあるものだったし、ロミオの真意が微妙な行動や川に飛び込むという展開が魅力的だった。

モンタギューはステレオタイプの悪人だが、シェイクスピア劇にはそういうのは出てこなくて、基本的には悪人の行動が人間の自然な欲望に基づいていて、むしろ悪が人間の自然な姿なんではないかと思わせるように悪人を描く。その辺は現代アニメの想像力との違いだろう。劇は考えてることを声に出して、会話と同じ資格で自然に表現できるが、アニメの場合は内面として特別な描き方をしなければいけないからやりづらいというのもあると思う。