第8話 「セパレーション -separation-」

今回も特に派手な展開はないものの、密度のある構成で茜を中心にキャラ達の心情が十分に描かれていて、また、ラストであろうロケットの打ち上げに対する明確な障害が示され、シリーズ全体の構成としても十分な展開だった。なぜ宇宙に行きたいのか、どこが宇宙飛行士として適していて、どこが適していないのか、とったことが茜の性格から見て自然な帰結で、話の流れがすごく自然に感じられる。茜に自然に感情移入することが出来る。当たり前の話を当たり前に書けばこんな風に十分に面白いものが出来る。しかしそういうアニメにはどういうわけだかなかなかお目にかかれない。

このアニメの魅力は主役の少女達の努力していく姿と以外に、基地の大人たちの自分達の仕事に真剣に向き合う姿というのもある。今回は医学主任のさつきがフィーチャーされていた。ゆかりはさつきを単なるサディストだと子供らしく思っていてさつきの行動を批判するわけだけど、それに動じることなく確固とした考えを貫いてる姿は非常に真剣な大人らしさが感じられた。他にも茜のことを話す基地の大人は冷静に結果のみを求めていて、感情面を熱くサポートしていたゆかりとマツリとはっきりとした違いがあって良かった。そう考えてみるとパイロットは子供で他の人は大人という設定は良く出来たものだと思う。やたらロリコンが多いのはどういう狙いだかよくわかりませんが。

しかしマツリだけはまた大人とも子供とも違った位置にいるように見える。知的で冷静なようにも、子供らしく無鉄砲であるようにも見える。しかしゆかりの実は宇宙に行きたいと言う真意を見抜いていたというのは何故か十分に納得できる。こういう不思議なのにリアルなキャラが成立してしまうのは声優の力が大きいように思う。