第1話 「風の少女」

「世界は愛でいっぱいだ。春はどこにでもやって来る。」

エミリーの表情が作画的に丁寧に描かれていて、彼女の存在感を強く感じることができた。普通に作画がいいっていうのとは違って、絵から彼女の思いがよく伝わってくると言う意味での良さ。コンテ的にも上から眺める図が多く、その中で毅然とした表情を見せられると子供なのに強さを持ってる少女だというのが強く伝わってくる。エミリーとは対象的に、エリザベスは下から眺めるような構図や、下から上に移動するカメラによって表現されていて、非常に威厳の強さを感じた。もちろん藤田淑子は完璧にはまり役。他のマレー家の人々も性格付けがはっきりしていて良かった。

テーブルの下で話だけを聞いていて、周りの人の顔が見えないもどかしさを、テーブルの中の映像だけで進めることによって表していたり、父親が死んで不安な空気を画面を揺らすことによって表したりと、新鮮かつ効果的な手法が使われており、制作者は結構な意気込みを持って作っているように思った。

ストーリー的にはあまりひきつけられる所はなかった。恐らく原作に忠実に進めてるためだろう。しかしエミリーとエリザベスはキャラクター的には十二分に興味を引かれたので、原作を知らないので展開は全く予想がつかないけど、これからの話が楽しみ。NHKはあなどれません。