第7話 「グラヴィティ -gravity-」

「星、見えないや」
こんだけのんびりした日常話をやるぐらいなら、前回の急ぎ足の展開を今回のAパートまで使ってやったほうがよかったというような声が聞こえてきそうだけど、そうとも思わないのです。前回までの綿密な展開があればこそ、今回のゆっくりした展開が中休みとして心地良く感じられる。制作側としても、たぶん。見る側も作る側も心の余裕が必要です。

中休みとは言え、作画の乱れに反してゆかりと茜の心の動きは丁寧に描かれていて、十分に見応えのある話ではあった。作画は乱れても声優は乱れるわけではないし。茜に自分が普通の女の子であることを説こうとしてるシーンで宇宙飛行の記憶の画を重ねたり、チャンネルをしきりに変えることで不安感を見せた後にゆかりのことを話してる番組に見入ってしまうのを見せることなど、ゆかりの心の揺れは脚本と演出で十分に表されていたと思う。茜は、今言ったゆかりが自分が普通の女の子であることを説こうとした話を聞いた後に、ゆかりの意図に反してますます自分の考えていることに確信をもったようで、まるでゆかりの内面が見えているかのように思えた。茜の部屋のシーンでは専門書が並んでるのを見せて茜の科学への興味を見せたり、貯金通帳を覗くシーンだけで今後の行動を案じさせるなど、大したセリフはないのに茜の性格や行動がわかるように見せてるのが上手いと思った。

次回以降また基地の人たちの活躍を見れるかと思うと楽しみ。