第24話「FILE8「呪いの家」#3」

なんなんですかこの面白さ。こういうのは最後じゃなくて最初にやればずっと人気がでただろうに。

まず冒頭のとりつかれた陽子さんが麻衣たちの処置に対していちゃもんをつけるシーン。不安定な構図や、不気味な音楽、声優の演技力、淡い陽光が際立った美術、目の光を無くして揺らすことによる狂気の演出、そういった要素を抜群にうまくつかってホラーらしい空気を十分に作り上げていた。眼に光が戻った時の安心感といったらない。っていうか陽子さんかわいいです。他にも印象的だったシーンを挙げて行くと、(演出の知識などは皆無なので用語とか自己流です)

  • 真砂子が例を呼び出すシーンは真砂子が奈緒の例を呼び出すシーン。ろうそくだけの光による光と闇の対比が不気味さを強調していた。BGMも鐘の音のような荘厳なもので雰囲気を強化している。あと釘宮はさすがに演技派。
  • 和義さんが包丁を落とされたあとに、こっちに向って襲ってくるシーン。アニメーションの出来がいいのはもちろん、微妙に画面を揺らし、そのカットの最後で画面の周囲をぼかしている。それが迫力をものすごく増している。っていうかそういう手法今スロー再生してはじめて知った。勉強になるなあ。
  • 安原君が家の歴史について調べてきたことを説明するシーン。まず話の内容が、これまでの伏線と結びついていて、しかもその伝説自体が面白く、話に深みを与えている。しかもその時に流れる増田敏郎の蟲師のエンディングを彷彿とさせるような曲によって、なんていうんだろ、これまでの様々な謎がバーって解けて行く壮快感? そんな感じが強調されていた。こういう時間は物語を見ていて最も幸せな時間な気がする。
  • あと突然大きな音がして、廊下を何者かが駈けて行くシーン。走っていく何者かの主観の映像のようだが、最初に天井の映像の移動から始まるところを見ると、特に誰の主観ということを表現してるのではなく、単にスピード感を見せたいということのよう。高速で揺らされる画面と集中線によって非常に迫力が出ていた。ここでも画面の周囲をぼかす手法が使われている。麻衣達のカットも画面を揺らして不安感を増している。

きりがないのでこの辺で。いやーすごい。見返してもどのシーンも密度が濃いのがわかる。それが話全体の面白さを増すためにワンカットも無駄に使われていないこの統一感。これはもう一本の劇場版のつもりで見れるね。

脚本:上代務 演出:山内東生雄 絵コンテ:二瓶勇一 作画監督:小谷杏子、冷水由紀絵