第10話 「牢獄からの脱出」

今回は面白かった。脱出劇をバトルなどで盛り上げながら、チュルナイの世界観を示し、さらにシリーズ全体の話とも絡めていくというもので、細かい点は不十分なところやおかしなところもあるが、大筋が楽しめるものであればそんなに気にならない。特に毒キノコの洞窟の描写なんかは結構君の悪さがよくわかってよかったように思う。ストーリーという点では、チュルナイの人々とデルの人々との常識の違いや、食べ物を捨てるという異常な風習などが興味を引き、その風習の原因に対する疑問が示されて解決があるという期待をさせ、さらにラストでトムの店という謎だった事実との結びつきを示し、「なんで?」と本気で思わされたところで幕引きと、見事に飴とムチを与えられて次回を見ずにはいられないようにされてしまいました。

細かい問題点の一つは、登場人物たちの力関係がよくわからないこと。ライは十分に自分の強さに自信があるように見え、一人で三人をやっつけたにも関わらず、不意打ちとはいえ少女の一撃でやられてしまうのは自然とは言い難い。まあ笑えるものではありましたが。それを狙ってるようにも見える。

そのティラは意外にかわいかった。どうも少しリーフのことが気になっているようで、リーフを見てほんのり赤くなってるところや、リーフのことを忘れないといってるシーンなんかすごく微笑ましい。是非ついて行こうとしない理由を詳しく聞きたかったところです。リーフはそんな思いに気付くには程遠い鈍感野郎ですが。

脚本:高橋ナツコ コンテ:高橋ナオヒト 演出:誉田晶子 作画監督:松坂定俊