第3話 「ランチパッド -launch pad-」

「この基地の連中は、夢を持っている。宇宙への夢をな。」
「任務じゃない。お祭りのみこしに乗るんだ。」

勝手な都合で宇宙に行かされることに反発するゆかり。成績の低下を指摘され、やりたくてやってるんじゃないと言うシーンは声優の演技も演出も含めて説得力があった。ゆかりの不安定さは本人の行動だけではなく、まわりの大人たちの視点からも描かれていてよくわかるものだった。宇宙行きをマツリに押し付けようとするゆかりは普通に嫌な人間として描かれていて、得体の知れない源泉から自信を持ってくる萌えアニメのキャラ達と違って、視聴者にとって等身大の人間らしい面が見えてきて非常に好感が持てた。

そんなゆかりの心を変えたのは? やっぱり宇宙に行くという「ロマン」でしかなかった。宇宙ものはこうでなくっちゃいけません。木下が子供のころからの夢を語るシーンは、優れた音響と美術による美しい夜の景色と壮大な音楽、淡々と喋る演技、子供時代のシーンの演出が相まって、非常に感動的なものだった。木下の不適正を告げる時にさつきの方が落胆していたことを示すことによって、宇宙へのロマンを理解している人が決して一人ではないことを暗示しているのはうまかった。ストーリー進行が速いにも関わらず、ゆかりが説得される理由が十分に説得力のあるものだったのは良かった。前に進む理由がしっかりしていればこれから安心してまっすぐGo!で行けるというものです。

前回までは3DCGの機械類がショボくて不安だと書いてきたが、今回の爆発シーンは演出や音響効果、作画がよくドカンドカン言って非常に迫力のあるものだった。これならやっぱりロケットの発射シーンは期待できそう。

脚本:十川誠志 絵コンテ:篠原俊哉 演出:徳本善信 作画監督:山懸亜紀