第2話 「情熱全開キュアルージュ!」

「純情乙女の炎の力、受けてみなさい!」

前回はのぞみの何も考えていなさとプリキュアになっていく過程が無理矢理であることを批判したが、今回はりんがきちんと考えた上で十分な理由を持ってプリキュアになっていて、それと比べてみれば前回の一見無理な展開はのぞみの性格を反映していることがよくわかった。むしろりんとの性格の対比を示すためには前回は乱暴に話を進めていく必要があったんだと思う。のぞみの猪突猛進な性格もりんという慎重な親友がいることを考えれば十分に受け入れられる。実に見事な構成だと思う。この調子で他のキャラ3人もお互いに補い合える性格を持っていて欲しい。

そのりんがプリキュアであることを受け入れていく過程だが、これが十二分に納得できるものだった。りんがのぞみのプリキュアの話を聞いて頭がおかしいんじゃないかと思うのは当然だし、人間がぬいぐるみに変化するのを見て現実離れした話が本当じゃないかと思い始めるのも自然。当たり前のことに見えるが、他のアニメだとこういう時に不自然な反応することが多いように思う。非現実的な事が事実だからといってそれに関わろうとしないのも、そんなものに関わっている友人を止めようとするのも自然。この点は幼少時の回想を上手く使って表されていて説得力を増していた。脚本の都合上どうしてもりんはプリキュアにならなければならないわけで、いかにこれを納得できるものにするかが最大のポイントだが、親友の危機と、親友の恐怖を取り去ってくれた記憶というダブルパンチで、りんの決意は十分に自然なものになっていた。よくよく考えればりんにとってベストなのは二人そろってプリキュアをやめることで、最良の選択というわけでもないのだが、ともかくその瞬間のりんの思いの強さはそんなことを考えつく余裕を視聴者に与えないほど強く伝わってくるものだった。

次回はまた新しいプリキュアの登場で、また今回のように個性を生かした見事な脚本が見れるかと思うと楽しみ。