第4話 「ナゾナゾ巨人の呪い」

最初と最後のシーンはまともなのだが、メインパートのナゾナゾ巨人のパートがひどい。子供向けの話として考えるなら、話としては良く出来たものだと思う。しかしそれをアニメとして見せるための構成や演出の工夫が皆無で、原作を機械的にアニメ化しただけのような単純な作りに呆れるしかなかった。明らかな子供だまし。心なしかセリフの読み方も棒読みになってきたように聞こえる。いちいち突っ込まないが、毎日数の勉強をさせられていたというのが理由なのか13人の聞きなれない名前を含んだ歌を一回聞いただけで完璧に復唱するリーフは子供心にはトラウマが残りそうな不気味さだった。原作者が何かの折にこのことを知ってお怒りにならないように祈りたい。

そのことを忘れてしまえば、ジャスミンの強さや優しさと次のボスのテーガンの恐ろしさを知ることのできるまともな話。最初の雨のシーンは、ジャスミンのクリーを危険にあわせたくないという思いとクリーのジャスミンへの忠誠心を示す伏線にさりげなくなっていて、ナゾナゾ巨人の超演出で脳をかきまわされて忘れていなければ、「二人」の別れの辛さをより深く理解できるという意外にしっかりした構成になっている。

それにしても別れのときのジャスミンの表情の変化の美しいこと。次に会うときのことを語る時は優しい笑顔で、去ることを命令する時は厳しく、そして見送ったらすぐにうつむいて去ろうとするこの健気さ。何をこんなにジャスミンに惹かれているのか自分でも不思議です。

こんなにひどくなるとは子供向け作品なのにこれまで少し期待しすぎたか? でも子供だましは子供ならだまされるということで、子供になったつもりで何も考えずに見ればそんなに気になるものでもないのかなあと思ってみたりする。

脚本:吉田玲子 絵コンテ:鎌倉由美 演出:藤本ジ朗 作画監督秋山由樹子